正規サポートプロバイダ
私がiPhone5を使ってた時の話です。iPhone5は発売から3年後に、バッテリーと物理ボタンにリコールが出ました。
Appleのホームページで調べると、私のiPhoneも対象になっていました。
バッテリーもヘタってきていたので、私としてはラッキーでした。近くに正規サポートプロバイダも有るのですが、特に急ぎでもなかったので、嫁さんとデートを兼ねて銀座のAppleStoreを予約しました。当日、AppleStoreに行くと整理券を渡され、カウンターに付くと私の担当は日本語ペラペラの外国人。
ネットで予約していたので、私のiPhoneのリコールは既に知っていたので、話はスムーズに進みます。彼は私のiPhoneを手に取って、外観を確認すると『シバラクお待チクダサイ』と言ってStoreの奥に入って行きました。
3分もしないうちに戻ってくると『直セマセンネ』と言いました。
一瞬何の事か分からず『いや、直すんじゃなくてリコールなんですけど?』と返すと『エエ、デスカラ直セマセン』『いや、だから直す…(リピート)』の繰り返しで、私も妻も外国人担当者もイライラ。
するとその外国人担当者は、私のiPhoneをカウンターの上に置き『曲ッテマスね。デスカラ直セマセン』そう言われてよく見ると、確かに私のiPhoneとフラットなカウンターには微妙な隙間が。
『曲ガッテルト、iPhoneが開ケラレナインデス』なるほど、かのスティーブ・ジョブズが、iPhoneのプロトタイプを手に取った時、コップの水にiPhoneを沈め、出てきた泡を見て『こんなに隙間があるぞ』とやり直しをさせた逸話は有名な話です。iPhoneにとって、少しの歪みは命取りという事でしょう。
しかし私にとってはスティーブの思惑など知った事ではありません。暫く食い下がりましたが、外国人担当者も『直セマセンネ』の一点張り。銀座店の真ん中で、すっかりヒートアップして声をデカくなった私を、妻が制止しました。
『じゃあどうすりゃいいの?』と聞くと『新シイのを購入シテ下サイ』と言いいながら、iPhoneの価格表を見せようとした担当者に『もう結構ですよ』と言って店を後にしました。
店を出て、近くの喫茶店でコーヒーを飲んで落ち着きを取り戻し、よく見ると確かに私のiPhoneは曲がってる。
iPhone5はそのデザインから大きさが気に入っていた反面、発売されたiPhone6のデザインが気に食わなかったので、新しいのを購入する気にもならない。ましてAndroid機にする気にもならない。
リコールが出ただけで、現状は機能的にも問題は無さそうなので、そのまま使い続ける事にしました。
しかし暫く使っていると、勝手に電源が切れる様になってしまいました。詰まる所、これがリコールの原因だった訳です。
選択肢は4つ。1.諦めてiPhone6にする。2.使い難いのを覚悟で使い続ける。3.Android機に変える。4.ダメ元で正規サポートプロバイダに持っていく。で、私が選んだのは近所にある正規サポートプロバイダに持ち込んでみました。
正規サポートプロバイダでの担当者は若い女性でした。対応もしっかりとしてくれていたので、騙し討ちするみたいな後ろめたさに耐えられず、正直にAppleStoreでリコールを断られている事を説明しました。
担当者の女性は『んー確かに曲がってますけど…』と言いながらも、受け付けてくれました。
それから1年間iPhone5は元気に活躍してくれましたが、最後は悪名高いリンゴループに罹ってしまい、流石の正規サポートプロバイダでも『打つ手が有りません』と断られてしまいました。
受け付けてくれた、正規サポートプロバイダの対応は有り難かったです。